9月のQC検定1級の試験に向け、2013年・2014年の過去問を中古で買ってきましたので、それらの文章題を読み物にしています。
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※試験では赤字の箇所が選択肢問題として出題されています。
【問題】
2014年・秋
問10
機械部品を生産しているある組織は、ISO 9001の規格要求事項に基づく品質マネジメントシステムを構築し、運用している。この組織の関連会社で品質管理部門の専門家であるA氏は、マネジメントレビューに参画し、意見を述べた。
①品質目標に関する検討
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【品質方針】 “お客様満足を目指し、高い品質の製品を生産し、提供する”
【品質目標】 “品質クレームの削減”
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品質目標は、品質方針の枠組みに基づいて設定されるのはよいが、達成度が判定できない。品質目標は、達成度が判定可能で、品質方針との整合がとれていなければならない。当社はバランススコアカードでKPI(Key Performance Indicator)といわれる重要業績指標を設定しているが、品質目標もKPIであるという考え方もできる。そして、KPIとして“顧客満足度”を設定し、顧客に対するアンケートによる評価を行っている。品質マネジメントシステムの要求事項でも顧客満足は規定されており、品質方針でも顧客満足を目指していることから、品質目標として“顧客満足度”を取り上げてもよいのではないか。
②品質クレーム報告に基づく検討
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(a)溶接製品の一部に溶接強度不足(6件)・・・溶接強度のばらつき
(b)部品強度不足(5件)・・・材料の品質不良(材料メーカーはA社のみ)
(c)傷入り製品混入(3件)・・・工程で排除した製品の再混入
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(a)溶接強度のばらつき
溶接強度を直接判定しようとすると破壊検査になる。したがって、溶接工程以降では、直接溶接強度の測定ができないので、プロセスの妥当性確認を行う必要がある。溶接工程を内部監査した結果によると溶接は作業者の技能により品質が変動しており、要員の適格性を確認する手続きを確立して品質を安定させてはどうか、具体的には、溶接作業に必要な力量を明確にして、力量をもつ要員に直接資格を与える。そして、溶接資格をもつ要員だけが溶接を行って溶接強度不足が起こらないことを確認する必要がある。
(b)材料の品質不良
材料メーカーA社の品質不良は、繰り返し発生している。品質マネジメントシステムの要求事項の視点から考えると、“購買プロセス”が有効に働いていない懸念がある。“当社の要求に従ってA社が製品を供給する能力があるかどうか”を判断の根拠として、A社を評価し、選定することが重要である。この評価と選定をどのように行ったのかを、確認する必要がある。
(c)工程で排除した製品の再混入
傷入り製品は、工程で一旦排除されており、不適合品を誤って製品の一部として混入させ、出荷してしまった。不具合品の管理ができていないということであり、このようなクレームを再発させないために、不適合品の識別を確実に行う必要がある。
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色々なテキストを試してみましたが、この1冊をマスターすれば、QC検定1級合格は余裕です。