QC検定1級の過去問を読み物に編集しました。
3月の試験はまだ結果が出ておらず、受かっているかもしれないし、落ちているかもしれないという状況です。
どちらであっても知識を蓄えることは無駄にはなりません。
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※試験では赤字の箇所が選択肢問題として出題されています。
【問題】
2019年・春
問9
X社の経営環境は日々厳しさを増しており、自社の製品・サービスの競争力が他社に比べて相対的に低下してきたという危機感を抱いている。そこで、顧客のニーズと期待に的確に応える製品・サービスが実現できているかを根本的に見直すために内部監査を行った。その結果、次のような品質に関する概念をまとめ、自社の総合的なパフォーマンスを改善し、他社と比べて競争優位性のある製品・サービスの実現に取り組むことにした。
①
顧客のニーズや期待に継続的に応えていくためには、高い顧客価値を創造していくことが必要である。顧客価値は、製品・サービスをとおして顧客が認識する価値であり、現在は認識されていなくても、将来認識される可能性があるものを含む。
②
高い顧客価値を創造し続けるには、市場のニーズの多様化、技術開発など組織を取り巻く事業環境の変化を迅速に察知し、対応しなければならない。変化への対応能力を高めるには、事業環境と組織がもつべき能力を認識するとともに、自組織を革新することが重要である。既存の枠組みの一部またはすべてを否定して新しい枠組みを生み出すという革新では、学習棄却を含む組織の学習能力と、個人の能力と組織の能力とを融合する能力の2側面を重視する。
③
顧客価値の明確化にあたっては、事実・データに基づいて過去の成功事例・失敗事例、対象とする事業環境とその将来動向などを分析し、次の事項を行うことにした。
a)
対象とする事業において、製品・サービスの提供にかかわるすべての関係する組織とその間の情報や物の流れを明確にし、パートナー、組織、顧客を含めた一連の供給ネットワークを構成する各関係者によって創造される価値とその流れを把握する。情報は、製品・サービスとプロセスを評価するために重要である。
b)
対象とする事業において、組織にとっての顧客と競合組織を明確にし、その事業環境下における具体的な競争条件を把握する。競争条件の明確化では、自組織と競合組織間の優劣状況、想定外の異業種や海外の競合組織の出現などに留意する。
c)
当該の競争条件下において、将来にわたって顧客の購買を促す決定的な顧客価値を明確にする。特に、製品・サービスについて提供側が伝えたい価値と、顧客が認識した価値との間の相違に留意する。
④
顧客は製品・サービスに内在する価値そのものを重視するという観点から、顧客価値に対して次の点を組織内に周知することにした。
a)
顧客が、製品・サービスのプラス面・マイナス面のさまざまな選択肢から、使用者や社会の視点で価値認識を確立し、製品・サービスの購入の決定要因として認識する価値であり、製品・サービスを購入する際の購入の動機と選択基準になるもので、この側面が組織の持続的成功のために重要である。
b)
購入した製品・サービスの使用から廃棄までをとおして顧客が認識する価値であり、製品・サービスとそれに付随する、製品・サービスそのものの特性、製品・サービスのメンテナンスや修理の容易さ、廃棄にかかるコストなどである。
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私が試験勉強で主に使用していたテキストを紹介します。
上記のテキストと紐づいた練習問題はこちら。