9月のQC検定1級の試験に向け、2013年・2014年の過去問を中古で買ってきましたので、それらの文章題を読み物にしています。
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※試験では赤字の箇所が選択肢問題として出題されています。
【問題】
2013年・秋
問11
Y社は、機械部材製品を製造販売しているメーカーであり、新製品開発に力を入れようとしている。そこで、過去の新製品開発においてうまくいかなかった事例をふりかえり、その反省に基づき進め方を検討することにした。
〔事例①〕
自社で従来から使用している材料でもよかったが、使用経験がない材料を用いて新製品を開発し、販売した。初期性能には問題がなかったが、長期使用において一部で問題が発生したことがあった。
〔事例②〕
汎用的用途の機械部材製品では、色々な寸法の製品が必要である。寸法の品揃えは開発者の完成によって自由に行っていたが、寸法が異なる製品・品番が多くなりすぎて困った。
〔事例③〕
新製品を開発し販売したが、コストが高いため、販売開始後すぐにコストダウンに取り組まざるをえないことになった。
〔事例④〕
製品Mは市場が縮小し、売上も減少していた。そこで、多額の開発費をつかって製品Mの後継製品を開発・販売したことがあるが、結果的に売上・利益を生まなかった。
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事例①についての反省
あえて新たな材料を用いなくても開発可能であった。そこで、新製品開発において、新たな部品・材料を勝手に使用するのではなく、社内で繰り返し使用され、品質・価格・調達で実績のある部品・材料を優先的に検討し使用する。標準部品制度を設けることにした。
事例②についての反省
寸法の品揃えに対して基準を持っていなかったことが、原因のひとつと考えられる。そこでY社では、JIS Z 8601に規定されている標準数を基準として、製品寸法の品揃えを決めることにした。
事例③についての反省
原価企画活動を行うことにし、製品設計段階において目標原価を設定するとともに、見積原価が目標原価内に収まるように、できるだけ開発の初期段階で原価低減を行うことにした。そしてこの原価低減のための方法のひとつとして、VE手法を活用することにし、価値を機能とコスト比でとらえ検討することを基本とすることにした。
事例④についての反省
新製品だけでなく、既存製品もふくめたY社の製品・事業全体戦略が必要と考え、プロダクトポートフォリオマネジメント(PPMともいう)を行うことにし、収益性や成長性、安定性などの異なる製品・事業を組み合わせて、最大のリターンを得るための資源配分を行い、管理することを狙いとした。
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ちょっと数字に強くならないとQC検定1級は難しいです。