先日標準時間についてお話しました。
その中で、協定世界時はUTC(Coordinated Universal Time)であること、グリニッジ天文台が関係ないことをお伝えしました。
ここについて、疑問に思ったため、追加で調べてみました。
グリニッジ天文台はイギリスにある天文台で、経度0度の基準であり、世界の標準時刻はグリニッジ天文台を基準として、そこから世界中の時差が計算されている・・・
と私が子供の頃は教えられていたような気がします。
日本だけをテーマとして考えた時、これは間違ってはいません。
経度0度の定義である「本初子午線」を定めた法令では、
「英国グリニツチ天文台子午儀ノ中心ヲ経過スル子午線ヲ以テ経度ノ本初子午線トス」
とされています。
(1947年以降に法令が更新されていないのも問題かと思いますが・・・)
なお、国際的には国際基準子午線(IERS基準子午線)というものが制定されており、グリニッジ天文台は国際基準子午線からは100mほど東にずれています。
国際基準子午線は特定の地点を基準にしていないため、地殻変動の影響を受けずらい基準となっています。
1958年1月1日0時0分0秒を基準として、そこからのセシウム原子の振動量で時間を測る運用になっているそうです。
こちらも特定の地点を基準にはしていません。
ここまでUTC(Coordinated Universal Time)とGMT(Greenwich Mean Time)の違いを述べてきましたが、普段私たちが生活している中でこの二つの差により不整合が起きるなんてことはまずありません。
確かにUTCは地殻変動の影響はGMTよりも受けにくいですが、
今後地球の自転速度が変わったり体積が変わったりすることで、
そもそも1日の時間が今の24時間とは変わってしまうかもしれないのです。
精密であるはずの時間でさえも世の中に流されながら基準が変わっていきます。
今後も世の中の流れに乗れるよう、色々と学んでいきましょう。