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合格率を統計的に計算してみた

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最近統計学の考え方が面白いと感じています。

品質管理の勉強を目的としてQC検定の試験勉強していましたが、その中で統計的な考え方をする場面が結構でてきます。
今は統計学を学問として修めたいなと思っています。

せっかくなので統計学の考え方で、試験の合格率を考えていきましょう。

【問題1】
合格点が70点の試験があります。
Aさんの過去問4回の成績は54点、61点、49点、58点でした。
このとき、Aさんの合格率は何%でしょう?
(注1)Aさんの成績は正規分布に従うとします。
(注2)統計的な計算を可能にするために、理論上はマイナスの得点や100点を超える得点をとることも可能です。

【解説1】
ちょっと注釈を入れましたが、この問題をどう思いますか?
合格点が70点なのに今までMAXでも61点しか取れていない奴に合格の可能性なんてない??
本番は運がいい場合もありますし、4回の過去問を解いた際、苦手な問題ばかりだったのかもしれません。
そんな状況も統計的に考えていきましょう。

まずは平均点と標準偏差を出します。
平均点は55.5点
標準偏差は4.5点です。
標準偏差の求め方?
書くとわかりづらいですが、
√((54-55.5)^2+(61-55.5)^2+(49-55.5)^2+(58-55.5)^2)
です。詳しくは検索してみてください。

さて、目標の合格点は70点なので、Kpという値を求めていきます。
Kp=(70-55.5)/4.5=3.22
この値を正規表現の付表に当てはめると0.6%という値が算出できます。

一度も合格点に届いたことがなくとも、本番では0.6%ほど合格の望みが残されているということですね。
これが統計的な分析です。

【問題2】
先程のAさんが頑張って平均点を10点アップしました。得点の分散が変わらないとすると合格率は何%でしょう?

【解説2】
64点、71点、59点、68点取れているイメージでしょうか。
今度は70点を超えた回数だけで見れば合格率は25%ですね。
先程は一見合格率0%に見せかけて合格率が0.6%までアップしたので、今回も合格率は25%からアップするのでしょうか?

今回は平均点が65.5点にアップしたのでKpの式を再計算します。
分散が変わらないため、標準偏差は4.5のままです。
Kp=(70-65.5)/4.5=1
この値を正規表現の付表に当てはめると15.87%が得られます。

合格率、25%に届きませんでしたね。
統計的なばらつきが存在するためで、統計学を知らない人なら4回に1回は受かるかなと思える状況でも、統計的に計算すると6回に1回も受からないということがわかってしまうのです。

【問題3】
合格率が80%を超えるようにするためには、平均点がどのくらいになるまで勉強したらよいのでしょうか?
分散は引き続き変わらないものとします。

【解説3】
試験を受けるならできれば8割くらいの合格率があると嬉しいですよね。
安心して試験に望むことができます。

今回は確率PからKpを求めます。
そして今回は不合格の確率を使います。(付表を使う場合は、50%以下の項目の確率を利用します)
Kp0.842以上で合格率が8割を超えます。
(合格点x-70)/4.5>0.842
x>73.789

平均点が概ね74点以上なら、本番の試験の合格率が8割を超えることがわかります。
どの程度まで勉強すればよいかの目安となりますね。

                  • -

以上、統計学を使った自作問題で遊んでみました。
統計学の有用性がちょっとでも伝われば幸いです。
受験の時の合格率ってこのような感じで算出されていたのだなと思うと面白いですよね。

私はまだまだ勉強不足なので統計学により詳しくなり、QC検定1級合格を目指して頑張ります。

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