アーシの毎日インプット

毎日1つ以上学習する。学習した内容を公開する。を目標に自分のスキルアップを目指します。

QC検定1級問題:010

スポンサードリンク

3月にあるQC検定1級の試験に合格するために、品質管理を学習中です。

QC検定1級の過去問を読み物に編集しました。

 

----------

※試験では赤字の箇所が選択肢問題として出題されています。

 

【問題】

2017年・春

問14

JIS Q 9001,ISO9001を認証取得している組織では一般に、内部監査を計画的に実施し、マネジメントレビューを通じて経営層にその結果を報告している。また、内部監査は、経営ツールの一つとしている。以下は、品質管理責任者(A)と相談役(B:元品質管理責任者)の会話である。

B:一年に一度の内部監査が実施され、その結果をマネジメントレビューで経営層に報告していることは確認できたが、経営者からは、内部監査の結果に対して、コメントや指示があったのか?

A:特にコメントはありませんでした。ただ、指摘件数をさらに下げろとの指示がありました。

B:確かに指摘件数は年々減少しているね。これは改善の成果だと評価してよいものだろうか?

A:それもあるかと思いますが、内部監査が次第に形骸化して、監査員や被監査部門のモチベーションが下がってきているからだと思っています。

B:それはどうして?

A:ひとつには経営者の関心が薄いことにあるようです。内部監査の方針や計画などは、私に任せきりで、マネジメントレビューで報告しても、重大な不適合について、経営者自ら内容を掘り下げて確認してくれません。ISO9001:2015では、経営者に強いリーダーシップを求めています。その認識をもち実践してもらう、その気付きを与えるためには、どのような策があるでしょうか。

B:例えば、経営者自らが行うトップ診断を利用してはどうだろう。監査に対する意義と被監査側のモチベーションが高まるのではなかろうか。TQMに取り組んでいる企業では、トップ診断を行っていた。経営者が、各部門の業務活動の実施状況を、ヒヤリングすることを計画したらどうだろうか。経営者は多忙だが、効果は期待できると思う。

A:はい、ぜひBさんからも経営者に口添えをお願いします。

B:わかった。いつまでも不適合件数が多いのは問題だが、指摘件数が多いのは、改善の余地が多々あるという認識を、経営者にもってもらうことが大事だね。

A:はい。また、重要な指摘案件に関しては、深くレビューを行い、明確な指示を出してもらいたいですね。

B:そうだね。ISO9001:2015の規格改定に絡ませて、経営者に積極的な関与を改めてお願いしたらどうだろうか。経営者の内部監査に関する期待と姿勢が社内に伝わることを、ぜひ期待したい。

A:はい、ぜひBさんにも同席してもらい、経営者にお願いしてみます。

B:ところで監査プログラムには、どのような課題がある?

A:やはり監査員の力量ですね。人材育成の方策のひとつとして内部監査を活用していますが、多くの内部監査員に委ねるより、力量の高い内部監査員に絞った内部監査がよいのではないかと、今は思っています。適合性だけでなく、有効性、すなわち、目指している結果が出ているのか、ムリ・ムダ・ムラはないのか。そのような観点からの課題検出がより望ましいと思っています。

B:そうだね。さらに欲を言えば、重要テーマを設定する、例えば今年は苦情再発防止について重点的に監査するなど。また、各工場間でクロス監査を実施することも、新たな観点からの課題検出につながるかもしれないね。

A:そうですね。不適合の処置結果も、安易に承認してきたことも問題だと感じています。修正処理に留まっている案件は、被監査部門に返却し再検討を促す強い姿勢が大事だと思います。

 

----------

 

過去問の出典はこちらです。

【アーシの原点】

【頭を鍛える迷路集】


スポンサードリンク